北海道に住んでいた。冬の寒さは痛さが伴うものだと思っていた。
地吹雪の中、ほっぺたがかじかんでぴりぴり痛みながらあるく。
目から涙が出てくるのは目を守っているのだと思った。
「しばれる」という方言は「さむい」という意味だけど、骨までしみる、肌が痛くなるような寒さじゃないと使えない言葉だと思う。年配の人が「しばれるねえ」と言いながら話しかけてくるイメージ。共感の言葉だ。
環境が違うと、使える日本語が違う。
2月のきょうの関東の夜はぜんぜん寒くなくて、4月の北海道よりすごしやすい気がする。